生活排水は、日々の暮らしの中で油やゴミ・アカなどが排出されるわけですから浄化槽の詰まりはどんなお宅でも必ず起こる症状です。
放っておくと危険です。
定期的に排水管の清掃をし、適切に管理するようにしましょう。
見えない場所なので自分自身で確認することはなかなかできません。
信頼できる業者に依頼することをおすすめします。
浄化槽の仕組みについて
単独浄化槽・合併浄化槽と2種類あるなか、2001年4月以降に日本では単独浄化槽の新設が禁止になり、今は合併浄化槽が主流となっています。
トイレの汚水はもちろん、台所・お風呂等の生活排水もすべて処理してくれるといった仕組みとなっています。
技術の革新で、どんどん小型化され敷地があまりないお宅でもむりなく置くことができるようになりました。
その一方で機構はどんどん複雑化しました。
出てくる汚れも多様化しています。
定期的に浄化槽の排水管洗浄を行っていないと、目に見えないような菌やウイルスが人の生活を脅かすこともあります。
面倒だから、お金がかかるからと放置はしない方が身のためでしょう。
浄化槽を臭わせないために
さまざまな原因があるものの、多くは浄化槽内の微生物が弱っていることが原因で臭いが発生しているようです。
不快な状態を減らすためにも、日々の暮らしを改めてみませんか。
単独浄化槽と違い、あなたのお宅の生活排水はほぼすべて流れていきます。
トイレ
トイレではJIS規格のトイレットペーパーのみを使用すること、流れていって見えなくなったらそれで終わりとばかりにあれもこれもと流していると、微生物に悪影響となるかもしれません。
配管が詰まったり装置異常が起きるかも、安いからと粗悪なトイレットペーパーを使用し、逆に修理費用が高くつくのであれば意味がないでしょう。
同じくトイレ関係だからとおむつを流す方、トイレ掃除をしてそのままタオルペーパーを流したり、隠れて喫煙してたばこの吸い殻をということも、無限に入る自由度の高いゴミ箱といったイメージで皆さん自由にやっていませんか。
個室で人に見られないというのも理由でしょうが、トイレで流して良いのは汚物とトイレットペーパーだけです。
キッチン
川を汚すからキッチンで油を流さないようにという教えは徹底されてきているでしょうが、とはいえ処理が面倒だからとついついやってしまう方いるかもしれません。
実は大量の油もまた、浄化槽を臭わせる原因となります。
微生物が分解できないのです。
流すときは液体でも、冷えて固まると配管を詰まらせてしまいます。
使用済み天ぷら油を流すなんて絶対NGです。
調理器具を洗う前にもできればペーパーで軽く油汚れを拭きとる。
調理クズや食べかすはゴミ受けネットに入れるなど、できる限り水だけを流すように心がけることです。
こまめにお掃除するのはよいですが、洗剤も量によっては微生物が分解しきれず浄化槽を汚すことになるのです。
つい多く洗剤を入れすぎたなら、油と同じくペーパーでふき取りましょう。
塩素系洗剤は殺菌作用で浄化槽内で頑張ってくれている微生物も殺してしまいます。
使用する場面があれば、たっぷりの水と一緒に流すようにして成分をできる限り薄めることです。
とはいえ、一度に大量の水が流れ込むのも良いことではないのです。
浴槽の水を抜きながらキッチンでは洗い物をしている、よくある光景です。
ですが一度に流れ込んだら浄化槽内で十分に処理しきれず負担を増やしてしまいます。
二度に分けて排水するなどの工夫も必要です。
浄化槽の排水管洗浄、業者選び
一般廃棄物の収集・運搬ということで、浄化槽を清掃するには市町村の許可が必要となります。
審査が厳しく、業者の数はあまりありません。
村や町だと1社だけなんてこともあります。
複数社あっても地域ごとの決まりもあるのである程度、どこの清掃業者となるかは決まってくるでしょう。
当然ながら、許可を得てない業者を使うと、契約した方自身も法律違反で捕まってしまう可能性が出てくるので十分注意するようにしましょう。
最近は、どの分野でも業者選びというと相見積もりを取ってと言われますが、浄化槽に関してはそれは難しいとかもしれません。
料金は2万円程度から5万円程度くらいですが、こちらに関しても地域によって異なります。
放っておいたら状況が悪化するだけですから必要経費として支払うしかないでしょう。
値引きをしてくれるケースもほぼないので、日々の生活の中で少しでも浄化槽をきれいに保つ工夫をして清掃の頻度を下げるしかないのです。
もちろんトイレをできる限り我慢するなんてやめておきましょう。
医療費が嵩んで、節約には全くなりません。
浄化槽を使用する家で使うべき洗剤・使ってはいけない洗剤
浄化槽の中の微生物が弱ったり死んでしまったらいけません。
さまざまな場面で使用する洗剤、選び方に工夫をしてください。
漂白や殺菌作用が強力な塩素系洗剤で、あなたの身の回りのものはきれいになりますが、流れていった先にある浄化槽の微生物を死滅させることとなるのですから悪臭が発生してしまいます。
洗濯用
洗濯用の洗剤は中性洗剤を使用しましょう。酸素系洗剤は微生物に影響するかもしれません。
どうしても使いたいなら使用量を守り、適量以上の使用はしないように注意してください。
トイレ
トイレ用には「浄化槽対応」の表示があるものを選びましょう。
トイレットペーパーに消毒用アルコールをしみこませて拭き掃除するだけでも、便器の黄ばみは取り除けます。
尿石・水垢などはクエン酸の粉末があります。定期的にこまめに掃除をすることでも、わざわざ強力な塩素系洗剤の出番を迎える必要はなくなりますよ。
キッチン
キッチンも酸素系洗剤を最小限の量で使用してください。おすすめは最近多くなったナチュラル洗剤です。
環境にも人体にも負担が少ないです。
まずはキッチンペーパーで油をふき取る・食べかすはゴミ受けネットになど、排水口に極力余計なものは流さないことです。
浴室
浴室でこそカビ対策にと塩素系洗剤が使いたくなるもの、消毒用アルコールを吹き付けるだけでもカビは発生しにくくなります。
洗剤だけでなくシャンプーやボディーソープも適量を、入浴剤も硫黄など温泉成分が配合されたものは使用しないことです。